shi−ki
〜薄紅〜
6
お姉ちゃん?
お姉ちゃんてば。やだ、何してんの?そんなトコで寝ないでよ。
――お姉ちゃん?なんで、服が赤い....。なに、それ―――
やだ..やだよ、お姉ちゃん!冗談は、やめて―――!
「..ち、る..?――みち..」
何、どうしたの?や――....
「みち....る、よ、か――」
だめっ!喋らないで、喋っちゃ駄目だよぉっ!!
「....じ..だ....っ―――」
血が..止まった..?
目を、開けて。お姉ちゃん、お姉ちゃん!?
やだ、やだそんなの....っ!
やだあああぁぁっ!!
「――――っ!」
叫んだ..つもり、だったのに....。声が、詰まって、出てこなかった..。
寝覚め、最悪。
あたしが帰ったとき、お姉ちゃん、まだ生きてた。
あの時、もっと早く急救車を呼んでたら..。ううん。買い物なんて行かなければ。お姉ちゃんは、死ななくて済んだかもしれないのに。
あたしが..一人残されることなんか、なかったのに――。
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