shi−ki
〜薄紅〜
4
「あのね、たか..、広瀬君が、みんなで遊びに行こうって。みっちー、来るよね」
「みんなで?ふぅ〜ん♪」
ほんとは2人で行きたいんじゃないの〜?
周りには隠してるけど、リンと広瀬隆文(ひろせたかふみ)は付き合ってるのだ。クラスでもかなり可愛いほうのリンと、ぼーっとした感じの広瀬じゃ、釣り合ってない気もするけど。
「あぁ、ごめん。あたしパスするね」
「えー、なんで?」
「ちょっと用事があんの。また誘って」
....これは本当。別に、2人の仲を見せつけられるのが嫌だからってわけじゃないよ。念のため。
「そーなんだぁ、残念」
全然残念そうに聞こえないけど。
2人でゆ〜っくり遊んでくればー?と、からかいそうになって、口をつぐんだ。あぶない。これは内緒だったんだ。
「じゃーさ、せめて一緒に帰ろうよ」
「んー、オッケー」
彼氏イナイ歴が一年になったあたしに、気使ってもらって悪いねとか思いながら、席を立った。..これは、ひがみ根性だな。
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