―My lou〜尊い命―29

季夜の体は、声は完全に消えてしまった。

本当に居なくなってしまったんだ・・・と実感した。

今落ち着いて自分の体を見てみると、全身にひどい怪我をしていた。手は折れてるみたいだし、足も包帯が巻いてある。こんなにひどい怪我をして良く生きていられたもんだと思った。

病室の扉が静かに開いた。

「先生・・・。」

『具合はどうですか?』

「体が痛いです・・・でも、生きてます。」

『リハビリ通いはしなければなりませんが、すぐに退院できますよ。』

「先生・・・。私を助けてくれてありがとうございました・・・。」


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