-抹殺屋-
解放-5
私は何か重大な事を忘れているような気がする。母親は明らかに私の母親では無いが拓紫という男を私は知っているし、彼が何か鍵を握っていそうだ。
『あの…私、何も覚えていないんです。…母のことも全く知らない人みたいでわからないし、どうしたら良いの?』
「いつか思い出す日が来る。お前は幸せなんだ。生きろ…幸せに生きろ。」
男は真剣な顔をしてそう私に言い、去って行った。
爽やかな風が吹いていた。
"幸せに生きろ"拓紫と言った男の言った言葉が胸に響いた。従った方が良いような気がした。
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