-抹殺屋-
解放-3
大声で泣いた。私は訳のわからない現実を飲み込むことができなかった。
春香と名前を呼ばれても自分だと認識できない、私が母親だと言われても認めることができない。外に出てもここが何処なのかわからない。
誰か誰か誰か!!!!
「おい、そんな所に座り込んでどうしたんだ?具合いでも悪いのか?」
私の見上げた先には見覚えのある男が立っていた。
『私は誰…?』
私の問いに彼は答えた。
「春香だよ。」
『違う。』
「俺はずっと前からお前を知ってる。お前は春香だ。」
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