-抹殺屋-
出会い-12

『初仕事か…いったい何するんだろう。』

拉致されて一日目の夜が来た。部屋には大きなベッド、バスルームやトイレ、テレビにクローゼットそれから冷蔵庫やお洒落な家具…何だかホテルのように揃っている。

『怖くて眠れないよ』

拉致されて平気な人間が居るはずもなく私は涙を流し続けた。
コンコンと扉をノックする音がした。

『…グスッ…はい。誰?』

と私はすすり泣きながら扉を開けた。

「あ、紗那。どうした?何泣いてるんだ?」

と私に問いかけたのは拓紫だった。

『な…何でもないわよ。』


「じゃあなぜ泣くんだ、理由を言えよ。」


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