"ADDICTED TO YOU"
あの日僕が倒れた原因は極度の緊張とストレスで引き起こされた過呼吸で、ずっと傍に居たゆうきはあまりストレスを与えないようにと医者から怒られていた。
それからゆうきは自分のしたことの重さに気付いて、中途半端な態度を取ることをやめた。僕達の間に少し長めの幸せな時間が流れた。
─…僕等は同じ高校を受験することにした。
ゆうきは可愛いのに頭が本当に悪くて、僕の目指す第1志望の高校には到底入れそうもないと散々周りから言われた。可哀相になった僕は、少しランクの低い所を二人で受けようとゆうきに言った。そのかわりゆうきはまだまだ足りないからしっかり勉強するんだ、そうしなければきっとゆうきだけ落ちるし、別々の高校に行くことになる。そしたら絶対ゆうきは浮気するし、そんな話を聞かされる僕はまた倒れちゃうかもしれない。ゆうき無しの日なんか耐えられない…と強く念を押した。
二人で受験勉強を頑張った。絶対合格するってわかっている僕だったが僕には受験する高校に少し心配なことがあった。
僕等が行く高校は…10クラス…同じクラスになれる確率は極めて低い。別のクラスになったなら、きっとまたゆうきは…。そう考えるといてもたってもいられなくて、ゆうきの家へ行った。
「ゆうき、言わなきゃいけないことがある。」
「何?」
「クラスが別々になっても絶対浮気はしないで。心配だから休み時間毎に教室に行く。」
「えー、幸平全然私のこと信用してないじゃん。大丈夫だよ。浮気なんかしないって。」
「今までのを総合して信用しろってのがおかしい。行くったら行く!!」
「幸平ってば心配性だね…クスッ」
「なっ…!?」
ゆうきに鼻で笑われた…。
「大丈夫だってば。ね?」
「うー…。」
心は晴れない。
ゆうきは自分がどれだけ可愛くて馬鹿で狙われやすいかわかってない…。一時期、クラスの男子全員がゆうきのことを好きだったこともあったぐらいだ。
僕の心配は消えないまま、僕等は3月の頭に受験をし、まだ少し肌寒い3月の半ば、、二人でを合格発表を見に行った。
「幸平、人が多くて見えないから私のも見て!!」
身長149pのゆうきは人だかりに圧倒されて合格発表の掲示板が見えないのだ。ピョンピョン跳ねたり背伸びしても掲示板を見ることのできないゆうきを見てると可愛くて、僕は微かに笑顔を浮かべた。
「早く見てってば幸平!!」
「んー…えーっと、294…あ!僕は合格だ。」
「早く私のも見てよー。」
「ゆうき、何番だっけ?」
「349番。」
「えーっと…349…」
―continue―
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