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"ADDICTED TO YOU"

合同誕生日会を終えて、数週間が経った。僕はつくづく思った。ゆうきは飽き性で移り気で、好きな男はコロコロ変わるような子だったのに、いつの間にか僕との未来を考える程に僕一筋になった。なのに僕はゆうきを愛し過ぎておかしくなりそうだとか言いながらも将来に自信がなくてなよっちくて頼りなくて…最低な男だ。

学校に居ても僕は色々思い詰めて少し暗い顔をしていたらしい。そしたら…

「吉岡、どうかしたのか?」

…とあの男が話し掛けて来た。そうあの男が…。覚えているだろうか…入学して早々、ゆうきのことを可愛いだの何だの言ってはしゃいでいた馬鹿男だ。

「城下…。」

本当に僕のことが心配だという表情を浮かべている。馬鹿な男だ…。

「城下ぁ、お前の下の名前って望だっけぇ…?」

少し甘え口調で城下をからかってみた。

「そっそうだけど…今更何だよ…?」

顔を赤らめている。照れているのか、何なのか…。

「僕がさぁ、まだゆうきと付き合う前に、あいつ、名前の話をしたんだ。」

「名前?」

「そう、名前。」

「名前がどうしたよ?」

「私はゆうきって名前なのに、勇気が出せない。幸平は幸せそうな名前で良いわねって。」

「へぇー。で、それがどうした。」

「お前の名前は望だよな。のぞみ。希望ある未来を祈って付けられた名前なんだろうな…。ああ…そうだ、ゆうきからその話を聞いた次の日だっけかに告白したんだよ…確か…。」

「惚気かよ…。」

僕は城下の言葉を無視して続ける。

「あの頃、ゆうきは移り気で、色んな男の子ことが好きだったんだ。僕と付き合っても別の男に告白されて揺らいだりしてさ、すごい男好きだった。だけどさ、僕が色々考え過ぎて過呼吸起こして倒れたら、今までの行いとか考え直してくれたみたいで、この前なんか逆プロポーズみたいなこと言われたんだ。」

「ただの惚気かと思ったら、結構色々あったんだな…。」

城下はしんみりして言う。

「だけど僕には自信がない…。」

「ハァ!?」

「自信がないんだ…。」

「何言ってんだよ。お前、芹沢のことが好きなんだろ?ずっと一緒に居たいとか思うんだろ?だから俺に手を出すなって言ったんだろ?自信がないとか言ってんなよ。そんなもん努力して出せよ。何だよお前はよ!!見た目だけじゃなくて心もひょろいのかよ!!おい!!」

…相変わらず良く喋る奴だな…。だけど、言ってることに間違いはない。

「城下…有難う。」

そう言って僕は城下に軽くキスした。城下は顔を赤らめていた。少しからかったつもりだったんだけど、城下は何かが目覚めたらしく、照れて動揺して叫んで走って逃げた。

「変な奴…。」

そう呟いて僕は残りの休み時間を居眠りして過ごした。


―continue―
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