"ADDICTED TO YOU"

"ADDICTED TO YOU"

そんな歌が流行ったっけ…。

「中毒になる程、君が好き。」

日本語に直したらちょっと笑える。だけどそんな僕も過去に中毒になる程、人を愛したことがあった…。もう、溶けちゃうくらいに。

―――…

「幸平、幸平!!」

ドタバタと音を立てながら階段を駆け上がり、その音に負けず劣らず大きな声で僕の名前を呼ぶ…。

勢い良く扉が開き、僕の寝ている上へダイブ!!

「ゆ…うき…おもっ…どいて…」

「じゃあ早く起きて!!もう8時過ぎてるよ!!学校近いからって寝過ぎでしょ!!」

「んー…わかったよ。起きるよ…。」

ゆうきは僕の幼馴じみ。年は同じで18歳。毎朝こうやって起こしに来る。

「急ぐよ、早く!!」

漫画みたいにパンをくわえながらダッシュで登校。忙しいこの光景も僕は結構気に入ってる。

ちょっと意地悪したくなる…。

「あれ!?幸平?どこ行ったの!?」

ダッシュで登校しかけていたのはゆうきだけ…

僕は後ろから少し遅れて自転車に乗って追い掛けた。

「ちょっ…何一人だけ自転車乗ってんだゴルァッ!!!!」

「だって走るのとかやだしぃ。お先に〜。」

「こらー!!」

僕は微かに笑いながらゆうきをほったらかして学校へ行く。学校に着いたら怒ったゆうきが教室まで来て叫びながら、げんこつやら蹴りやらを入れてくる。

こんなやり取りが好き…。

ずっと続けば良いって思ってた…。

だけどあの日…

鳴呼…嫌だ、思い出したくもない…


―continue―
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