ある愛の告白―1
「ねぇ、君に聞いてもらいたいことがあるんだ」
そう語りかける僕の言葉に君は何の反応も示さない。
「うん。いいよ、べつに。聞いてくれるだけでいいんだ」
君をみつめてみたけど、やはり何の反応もなかった。僕は気にせずに続けた。
「僕はね。本当は、人からどう思われているのか不安でたまらないんだ。だから、小学校の時なんか、すごくいい人を演じていたんだ。なにより、嫌な奴だって思われたくなかったから」
横にいる君が、少し悲しげに微笑んだように感じた。
「でも、中学に入ってからはそれも変わってしまった。ほら、ぼくって気が弱いでしょ。だから、何かにつけていじめられるようになったんだ」
君は悲しそうに僕を見ているみたいだ。
次へ
TOP