ある愛の告白―2

「いじめってさ。いじめられるほうにも問題があるっていうけど、そんなこと言ってる人たちはいじめられた経験があるんだろうか。単純な話、いじめる側がなにもしなければ、いじめなんて起きはしないんだ。
 そんなことより悲しかったのは、僕を助けてくれる友達は一人もいなかったってことなんだ。小学校から仲のよかった友達も、助けたら自分がやられるって思ったんだろうね。でも、そうなってでも助けようとしてくれないってことが悲しかった」
 君はやさしい目でぼくを見ているようだった。
「それからなんだ。ぼくは、本当の自分を隠し出したのは。今となっては、本当はどんな奴だったかよくわからないけど、小学校の時みたいに明るく振る舞ってるのがそうな気もする。
 とにかくぼくは、自分が何を考えているのかよくわからない奴でいることに努めた。感情をみせないようにしてもよかったけど、それはぼくには無理だったから、変な奴でいることにしたんだ」

 君はどんな顔していいのかわからないようだった。


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