パステルグリーンの色彩で―17

佐織にばかにされたのを、ゼミで環境問題やってんだよと切り抜ける。
テニスができないとわかって、佐織は外に興味がなくなったのか、すぐに中を見て回ろうとせっついた。
これは願ってもない提案だ。
夢の内容を考えれば、外の森こそ重要なのだろうが、有紀がここでなにかを経験したとすれば、間違いなく別荘に泊まったはずだ。何も関係がないならそれでよい、関係がないことがわかるからだ。関係があるなら調べなくてはならないことだ。まずは中から行こう。佐織にひっぱられて別荘の中へと戻る。
「で、他にはどんなとこがあるの?」
佐織に言われて見取り図を出す。
「二階は全部同じような部屋ばっかだから、一階だよな」
そうは言いながらも、後で全部の部屋をチェックする方がいいかもと思いとどめておく。「一階には、浴室と談話室と書斎、主寝室に応接間、あと遊戯室ってとこか」
「遊戯室?」
「あぁ、そんなのもあるみたいだな」
「あるじゃん遊べるとこ!外にテニスがあるんだから、中は卓球かぁ!?これでも卓球ならちょっと自信あり早くいこー」
有紀の記憶には遊戯室なんてなかった。否定するなかったが、いくらなんでも卓球ってことはないだろう。


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