聖夜は眠れない―7

「そんなふうに部屋を見られると恥ずかしいなぁ」
「えっ、あぁ、ごめん。女の子の部屋入るなんてめったにないから」
「はいはい。ソファに座って少しは落ち着いてね」
三崎はうなずてソファに座ったが、あまり落ち着いてはいないようで、足をもぞもぞさせていた。
「今お茶いれるから」
美和子はコンロにヤカンをのせると、どうきりだそうか考えたが、いいアイデアなど浮かばなかった。
気が付くと、ヤカンが悲鳴を上げようとしている。火を止めて、ポットにお湯を注ぐ。
すでに開き直っていた。ストレートに言うほかないと。
「おまたせぇ。で、頼みがあるんだけど」
三崎は左手で、美和子の話を制した。
「ごめん。その前にトイレ借して。かなりきびしいから」
さっきから落ち着きがないと思っていたら、そのせいだったのか。いや、トイレを使うということは、ユニットバスなのだから、バスタブのあれも見られてしまう。
「あ、ちょっと」
「ヤバいので、お願い。あそこのドアでしょ」
三崎は制しをふりきってトイレに向かう。そして悲鳴もすぐに。


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