B-Wars

「だったらなんで戦わないんだよ、おまえは!」
「だって勝てそうにないんだよ」
「知るか!おれにはどんなバケモノか見えない」
「ごもっとも」
「とにかくいってこい。いいから勝て。せめて勝ってから死ね」
「酷い!」
「だれのせいでこんな目にあっとると思うとるんじゃ!」
「くぅぅ」
光は未練たらたらに未季也をにらみつけると、覚悟を決めて後ろに駆け出した。
ただ、そこでいったいどんな戦闘が行われたのか、未季也にはまったくわからない。
なにしろ、戦う相手が見えないのだから、光が一人で動き回ったり、ふっとんだりしてるようにしか見えない。未季也は開店前の店の階段に腰かけて、息を落ち着けながら光を見ていた。
最終的に「ざまぁみろ」と光が言ってぶったおれたので、とりあえず勝ちはしたのだろう。
その間街路樹やら通行人やら車なんかに被害がでまくったので、そのうち救急車やパトカーも来るだろう。
「おい、光。大丈夫か?」
倒れた光を抱き起こすと、未季也は自分でけしかけときながらなぐさめのセリフを吐く。「あぁ、まだなんとか生きてる」
「すぐに救急車がくるさ」
「たぶん、もちそうにない。だから、いっとく事が、ある」

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