B-Wars
「あうあう」
走り去った後で行われる状況を未季也はうまく表現できない。
「だから、逃げなきゃ死ぬっつってんの!」混乱している未季也に、光は強く言い聞かせる。
「どういうこと?」
「うまく説明できないが、バケモノに狙われてる」
「おれが!?」
「いいや、おれ」
「ちょっと待て、おまえが狙われてて、なんでさっきのおっさんが被害に遇うわけ?」
「見えてないらしい」「はぁ?」
未季也は首を捻る。
「つまり、バケモノは、それが見える人間しか見えてなくて、その人間を襲ってんだ」
「じゃあなにか、おれは別に狙われてないのか?」
「そのとーり!」
「もしかして、光と一緒だから危ないんじゃないのか?」
「そのとーり!」
未季也はいくぶん考えて、
「よし、二手に別れよう。そうすりゃおれは助かる」
「酷い!」
「おれを勝手に巻き込んでおいてどの口がいう」
未季也は光の口を摘まむ。
「第一運動不足でそろそろヤバいんだよ」
「くぅぅ、他に手がないわけでもないんだが」
「なんだ?」
「おれが戦う」
「どうやって?」
「なんか、見えると同時に駆除する力もあるらしい」
話がうさんくさくなってきた。
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