小さな気持ち…9
人込みに消えて行く茜をみながら俺は考えた。
二人の人間を傷つける事なんてできない。
でも、どちらかを選ぶ事もできない。
苦しい。
次の日の仕事は最悪だった。
取引先との約束には遅れるし、課長には怒鳴られるし…。
頭の中で茜への気持ちとひとみへの罪悪感が大きくなっていってた。
昼休み茜から電話があったが夜の7時に会う約束をした。
会った時にさよならを言おうか迷っていた。
俺の中で茜への小さな気持ちがだんだん大きくなっていくのがわかった。
もうこの気持ちをおさえることはできないのか。
あの時あの約束さえ覚えていたら今は…。
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