千姫の詩
*
夢月夜
―8―
「昨日話した陰陽師だ。さ、お入り下さい。」
「…。」
「…あなたは…!」
「何だ、この方を知っているのか?」
「あ…。」
「…とにかく、昨日突然倒れて…薬師にも原因がわからないと言われたのです。」
「…わかりました。
三日後の満月の日に祓いを行います。全ておまかせくださいますよう…」
「あなた、私の夢に出てきた人にそっくりなの。」
「そう…覚えていてくれたんだね。」
「やっぱり…!どうしてさっき黙っていたの?」
「父上が変に思うだろう?黙っていた方が都合のいいこともあるんだよ。」
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