千姫の詩

夢月夜
―4―
素敵な方…
この人となら、幸福が訪れるかしら…

「…っ」
「…どうかした?」
「い…息ができな……」
「琴姫!!」

「誰か!」
「まあ海部の宮様。…琴姫様?どうなさったのです!?」
「わからないんだ、突然苦しみ出して…」
「とにかくお部屋に!すぐ薬師を…っ」

暖かい腕…

海部の宮様かしら…

何だか心地いい…もう少しこのまま…


「はっきり申し上げると…原因不明です…お体は健康そのものですのに…」
「そんな…」
「陰陽師呼んでみられては…?」

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