千姫の詩
*
夢月夜
―13―
『さあ、もう戻ろう。』
『待って…!』
『琴姫…』
『お願い、最後に…そしたら忘れるから…全部、思い出にするから…』
『…この夢から覚めたら、今までの夢は全て忘れてしまうんだよ。それでも?』
『…いいわ。』『わかった…。』
『…』
初めてのくちづけ…
やっと本物の恋を見つけたのに…
『琴姫…君の幸せを、ずっと祈っているよ…』
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