千姫の詩

夢月夜
―14―

「姫様!」
「おはよう。とてもいい天気ね。」
「着替えをご自分で?まあ、お体は大丈夫なのですか?」
「ええ、何だかすっきりし過ぎるくらい。」
「琴姫…!病はもういいのかい?」
「海部の宮様…」
「…君がいいと言ってくれれば、すぐにでも祝言を挙げたい。急ぐようだけれど、ずっと胸にしまっていた…君を幸せにするよ。」
「…。はい、喜んで…」


あれから半年…

今でも時々に夢に現れるあの人…

満開の寒桜を後ろに優しくほほえんで…

…あなたは誰なの…?


終わり
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