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千姫の詩

夢月夜
―1―
紅い月…

…綺麗…

でも何だろう…見ていると…

悲しくなる…

誰?

泣いてるの?

月が…

落ちてくる…?

…っ


「姫?」
「…あ、おかあさま…」
「…まあそんなに汗をかいて。どこか苦しい?」
「怖い夢を見て…」
「そうなの…今人を呼んで来るから、すぐ着替えなさい。今日は海部の宮様がみえられる日ですからね。」
「…どうしても会わなきゃいけないの?」
「あなたに会いに来られるのよ。もう16ですもの、結婚も考えなくてはね。」

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