闇家(6)


中は縦長の部屋で大きな食堂だった。
長机の両側には椅子がずらりと並べられ、火の消えたろうそく立てと空のフルーツの盛り皿がポツポツと置いてある。右側の方を見ると貫禄ある暖炉が寒々とたたずんでいた。
窓が一つもないため部屋は随分と暗かった。
左手の奥の方には額入りの大きな絵が飾ってある。その横にドアらしきものを見つけた。
「…行ってみるか?」
忍は真剣な顔つきになっていた。
「う、うん」
志穂は生唾を胃へ押し込んだ。覚悟を決めたようだ。
「よし、じゃ、行くぞ…」
二人はドアに向かって歩きだした。

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