闇家(56)



忍達の眼前に、大きな石の扉が立ちふさがっていた。
開き扉らしく今度は力ずくで押せば何とかなりそうだ。しかし、彼等は戸惑っていた。この先にはきっと、目的のモノがあるのだから…

「どうする?」
「行くしかないだろ…この中にはたぶん志穂がいる。」
「ええ、だけど体を乗っ取られたままかもしれないわ。もしそうだったらどうするの?」
「その時は、俺が抑えるよ。とにかく地上に戻さなきゃ…ここじゃ何も出来ないだろ。」
「賛成だね。それが最良だよ。」
と、敏樹がうなった。


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