闇家(54)


「やだっ…ちょっと、早く降りなさいよ!」
「いや、悪い悪い。」
一輝は悪びれる様子もなく初音に謝る。
「あ!ちょっと上向かないでっ」
初音は怒って、一輝の肩を思い切り蹴った。
「痛っ!あっ…」
どすん…っ
鈍い音と共に、一輝ははしごの一番下まで落ちてしまった。といっても大した高さでもなく、一輝はわりと平気そうな顔で蹴られた肩をさすった。
ベッドの下には下へ降りる丸い穴が隠れていた。忍たちはそこからはしごを伝って降りてきていたのだ。


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