闇家(53)


「うわぁああ!」

次の瞬間、忍たちは硬い床の間に叩き出されていた。
忍と一輝の下敷きになって、敏樹はうんうんうなっている。
「早…く…どいてくれよぉ。」
「いや、悪い悪い。」
そう言って頭をかきながら、一輝はなかなかどこうとしない。
「失敗だったわね。下からくぐれば良かった…」
初音は髪をかきあげながら、ボロボロのベッドだけがぽつんと窓際に置かれた質素な部屋を見渡した。
「志穂…?」
忍は何となくベッドに近寄り、その下を覗いた…


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