闇家(51)
忍が立ちすくんでいる間に、志穂は、彼女の肉体を奪った存在は、後ろに後ずさり、壁から奥の部屋へと消えた。
「あっ!畜生!やっぱり隠し部屋があったんだ!」
一輝は素早く駆け寄って向こうに行こうとしたのだが、もう扉は固く閉ざされていた。
「…くそっ!!」
思い切りの力で押したり蹴りとばしたりしても、そこはびくともしなかった。
一輝は悪態をついて床にあぐらをかいて座り込んみ、忍を見据える。
「…ずっとそこでつっ立ってるつもりか?」
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