闇家(44)
「ここの主は私たちが来たことに気付いてるはずよ…」
「誰がいるって!?」
敏樹が悲鳴に似た音を出したので、忍は慌ててその口を押さえた。と、志穂がずり落ちそうになって忍は中腰の状態で固まってしまった。
「代わるよ。」
一輝が小声で言ってその肩に志穂を担いだ。
一輝は長身で体が大きかった。志穂が本当に軽そうに見え、忍はほっとした。
「悪い…。」
「いいって。全く敏樹は肝がすわってねんだから。」
「2階で気配がするわ。」
初音が言いながら近づいてきた。
「どうする?」
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