闇家(27)
ズルッ
ズズ…
床を這う足音が沈黙の中で響く…
「…や…来ないで…」
「おい」
忍は化け物の注意を志穂から反らしたかった。化け物は一端忍の方に向いた。が、すぐにまた志穂を見据えた。
志穂は動けないんだ…その思いが忍を突き動かした
忍は身をかがめて化け物の横を走り抜けていた。志穂に注意が行っているうちに…
忍はすぐに絵が飾られていた場所まで来た。素早く落ちていた木製の額縁をつかみ、廊下を引き返す。
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