闇家(24)
ペンライト以外は何もかも真っ暗だった。そういえば昼間来たとき、この辺りは走り抜けてきたのだ。
何があったんだろう、と忍は気になった。しかし絵画なんかは飾ってないようだった。
そういえば、何で走ったんだっけ。
二人が廊下を曲がろうとした時、
ハー…ハァー
「し、忍…」
志穂がうわずった声を出した。忍にも確かに聞こえた。
「何だ…?(…!もしかして昼間の奴が…どこかに潜んでるのか…?)」
忍は慎重に、曲がり角の向こうに行こうと踏み出した―
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