闇家(17)


真っ暗な空間を手探りで探すというのは、精神的にずいぶんと疲れる作業だった。
床を這う様に移動していた志穂は、ちょっと頭を上げようとして、棚らしいものに勢い良くぶつかってしまった。志穂は一瞬目の前に火花が散ったような気がした。と思うと、視界が段々と明るくなってゆく。棚の上に小さな宝箱のようなものが鮮明に現れた。と、画面はさらに明るくなり、ついには真っ白になった。
志穂はそれと同時に、意識がなくなるのを感じた…

次へ
TOP