闇家(12)
「何とかしないと…!」
「可愛らしい像だけど、これ何なの…?」
志穂は恐怖のあまり涙声になりながら、妖精の像に近づいていった。
突然だった。志穂が妖精の胸元にあるネックレスに触れた途端、像の左側の壁が動いたのだ。ゆっくりとスライドしたかと思うと、真っ暗な部屋への入り口がぽっかり口を開けた…
「志穂、お前何したんだ?」
忍が唖然としていると、壁はまたスライドし始め、入り口が狭まってくる。
「!! とにかく中に入るんだ!」
呆然とつったっている志穂を引っ張り、忍は間一髪で部屋に滑り込んだ。
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