続・この恋の行方5

それに、いつだってこうなのだ。
式場に向かう途中、朱美は沸き上がってくる思い出を噛みしめていた。
事故の後から、二人の間にはやたらと何かがあった。何事にも最初から最後まで平和に終われたことは…きっと、数を数えるほども無いだろう。
その中でもはっきりと思い出せるのは…そう、利明と行った初めての旅行だった…


ブーン、という低い音が車内に響いていた。
利明は車のエンジンをかけたままで、両親に挨拶をしている。朱美はそんな利明の姿を、助手席から眺めていた…

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