続・この恋の行方4
「朱美、利明さん来たみたいよ。今お部屋で着替えてるって。」
母親の言葉に朱美はようやく落ち着くことができた。
自分は前夜だってほとんど眠れなかったというのに…でも、仕方ないのだ。交通事故の後、利明に少しも後遺症が残らなかったというわけではなかった。
それに元はといえば利明を信じきれなかった自分のせいもあるのだと思うと、朱美はあまり強く言う気にはなれなかった。
「(…忘れよう。そうよ、だって今日は…。)」
朱美は自分にそう言い聞かせた…
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