続・この恋の行方19

結局その少女は、利明が振り向いたのと同時に消えてしまった。
夜中に旅館の女将を起こして事情を話すと、
「お客さん、湖には行きました?」
「湖?」
「あら、知らないんですか。この辺にカップルで来るお客様は必ず寄られるんですよ。」
何でも、少女の霊は幸せな恋人同士の見物を好んでいるらしい。幸せになれるからと噂は広まって、今では少女の霊がいるその湖に恋人達が立ち寄るのはあたりまえになっていたというのだった。
「そんな話…本当に?」
「湖まで行かれてみたら?損にはなりませんよ。」

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