続・この恋の行方15

居心地が悪いなと思いつつ、朱美はお湯から上がれないでいた。その時、湯船の中に、またあの赤い花が現れた。
「あっ…」
朱美は思わず手を伸ばしてそれをつかもうとした。…が、またもそれは消えてしまった。「何ぞあったかね?」
一緒にいた老婆が不思議そうな顔で見つめていた。
「あの…そこに赤い花が…」
「…何もないがね…」
「ええ…でも…さっき、滝のとこでも見たんです。」
「…あんた、その花、彼岸花じゃなかったかい?」
「え?」

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