この恋の行方8


病室の窓から、暖かい陽射しが射し込む。
八月の暑い日、私は利昭の隣でうたた寝の夢から覚めたところだった。

体は熱を帯びているのに、脈だって打っている。でも、利昭はあの日から、目を閉じたままベッドに横たわっている。

「朱美ちゃん、時間は大丈夫なの?」
「はい。今日は夕方までいますから…」
「そう。いつも悪いわね。」
「…いいえ…」
「じゃあ、私お買い物に行ってくるわ。花を買い換えなきゃね。」
「あ…そうですね…」
いつの間にか、花は枯れてしまっていたんだ―

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