この恋の行方4
目の前が明るくなって、一瞬昼間かと思うくらいだった。
利昭の顔がはっきり見えた。
私の方へ駆けて来る、必死な表情で―
「きゃっ…!」
突き飛ばされた衝撃でアスファルトの上に倒れ込んだ。膝を擦りむいて、血がにじむのを人事みたいに見ていた…
指先に何かが触れて、やっと頭がはっきりしてきた。
「痛……」
そうつぶやいて何気なく指に触れたモノに目をやる
それが血溜まりだというコトに気付き、硬直した…
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