この恋の行方5

「利昭…?」

「どうしたの、…ねえ。」

倒れている利昭にゆっくり近づいて、私は夢であることを祈った。

「…朱美……良…かった…」
利昭は力無く笑った。だけどそれはいつもより優しい、暖かい笑顔だった。

「利昭…」
「渡したい…ものが…あるん…だ」
利昭は体制を何とかしようと動いた。ひどい激痛が走ったのは私でもわかった。利昭は顔をしかめて、そのままため息をついた。

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