予知夢
-8-

香月の話とは関係ないよね、

はじめは、そう思っていた。それくらい、黒ずくめの男は微動だにしなかった。
とうとう私が通り過ぎるという距離に近づいても…

「“あづみ”だな?」

「えっ…?」
反応するかしないかの内に、腹部に衝撃が来た。
私はわけがわからないままに、意識を失った…


サー……

微かに水音がする…
ゆっくり目蓋を上げると、そこは闇に包まれていた。私は後ろ手を縛られ、立つことも困難だ。
「ここは…?」


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