予知夢
-50-「…?」
「(行ってくれ。俺は君を撃てないから。)」
「慎…」
「きゃっ…!」
突然、夜鷹は結羅姉を突き飛ばし、無理矢理エレベーターの中へ戻した。
「(元気で…)」
最後まで結羅姉を見つめる夜鷹。そのほほ笑みは晴れ晴れとしていた。
そして、扉が閉まる直前の銃声と崩折れる夜鷹の姿が、いつまでも安曇の脳裏に焼き付いていた…
沈黙のまま、エレベーターは地下へ到着した。
「さあ、みんなこれに。操作は簡単だ。俺が使っていた時のままだから、この赤いボタン一つで谷川の町へ戻れるよ。」
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