予知夢
-5-
朝食を終えると、もう高校に向かう時間だった。私は急いで支度を済ませ、晃兄と一緒に家を出た。
季節は初夏、まだ少し風が肌寒い。
庭の公孫樹の脇を歩きながら、一瞬、悪寒が走った。
思わず家の方を振り返る。
やっぱり夢のことは気になる。あんなにはっきり“見た”のは初めてだったから…
「何してるんだ?置いてくぞ。」
. 「あ、うん…」
私は小走りに駆け寄った。
駄目だな…気負いするなって言われたのに…
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