予知夢
-44-
「そうしたら後は襲兄にまかせればいい。」
晃兄はそう言って襲兄を見た。
「それでいこう。」
少し経つと、ようやくランプの点灯が最上階で止まった。
「「いくよ!」」
その掛け声と同時に、体が重力から解き放たれた。
安曇は地に着かない足元をばたつかせ、みんなの様子を伺おうとする。
結羅姉も晃兄も、誰もがじっとして動いていない。
安曇はちょっと恥ずかしくなって抵抗を止めた。
次の瞬間、靴の裏に硬い感触が戻っていた。
エレベーターの中。
さっきと何も変わらない…
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