予知夢
-32-
それからどのくらい経っただろう。外界から隔離されたこの場所は、昼と夜の区別もつかない。
そもそもこの世界が何なのかもわかっていないのだけれど…
とにかく私は、ただ待つことしか出来なかった。
「帰りたい…」
「安曇」
「…?」
「下だ。」
水道の方から声が聞こえる。覗き込んでみると、誰かがそこにいる…
「誰…?」
「…襲だ…」
「えっ…どうして!?」
「しっ!静かに。先ずここを出よう。」
敷石を何個かはずすと、私が通れるだけの隙間が出来上がっていた。
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