予知夢
-29-
「う…やっぱり高い…」
忘れていたけど、最上階なのだ。さすがに飛び降りるのは無理だと思い直した。
ドンッ
「おい!開けろ!」
夜鷹が叫んでいる。
(急がないと…)
私は近くにあったカーテンに目をやった。
ゆっくりと垂直な壁を降りていく。
時々強い風に飛ばされそうになりながら。
「最低…!」
私は半泣き状態だ。カーテンの長さもあるから、途中で何とかしないと…無事に地上に降りても、帰れないかもしれない。
「きゃっ…!」
突風だ。
体が大きく左右に揺れた。
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