予知夢
-15-

私は眠ることが出来ず、結羅姉と一緒に外に出た。
庭の隅に晃兄がいて、谷川の町を見下ろしている…。
「晃兄…」
「ひどいな。一体誰が…!」
「明日には水が引くから復旧作業をするそうよ。…安曇の、夢のとおりになっちゃったわね…」
「夢?」
晃兄は私を振り返った。
「うん…これと同じ光景だった。まさか本当になるなんて…」

「…そうか、安曇にもついに…。」
「え…?」
「晃!」
突然、結羅姉が一喝した。
「あ。…いや、何でもないや。気にするな。」



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