悪魔の鎮魂曲6
「動きたくないんだ…どこへ行こうったって何も変わらない。だろ?それより…君は今、どこから現れたんだ!?」
「…どこからでも」
「え?」
「一歩踏み出すだけ。それだけでいいわ。」
「何だって?」
「さあ、立ち上がって。ずっとここにいるつもりじゃないでしょう?…すぐに来てね…待ってるから…」
それだけ言うと、少女はくるりと向きを変え、前に進みでた。そして少女の姿を見送るその前に、彼女は霧にさらわれたように消えてしまった…。
「!?」
宗治は目を見張るばかりで、喉はかわくし、頭は真っ白だった。
次へ
TOP