悪魔の鎮魂曲19
宗治は自分の体をしっかり抱きしめるようにうずくまっていた。あまりに目を堅く閉じすぎたせいで、耳までおかしくなって何も感じなくなっていた。真っ黒な闇の中にいるようだった。
ふと、宗治は奇妙な感覚に襲われた。足をつけていた地面が急になくなって、どんどん下へ落ちて行くようだった。耳鳴りがした。宗治は何も考えられなくて「(考えたくない…)」ただ落ちていくそのままに身をゆだねた――
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