悪魔の鎮魂曲18
悪魔は嬉しそうに言い放った。
「一年も気付かなかったなんて…」
宗治はただ絶句していた。
「さて、ここはもう地獄の一部でねぇ。俺様のお務めはここまでさ。お前がどうなるかは別のお方がお決めになる、残念だが、それは俺の役目じゃない」
悪魔は悲しげとでも言わんばかりに演技してみせた。宗治にはそれに腹を立てる気力さえなかった。そしてそのことが悪魔をさらに喜ばせたのにもおかまいなしだった。
悪魔は宗治を十分嘲ると消えてしまった。一人でいることがこんなに恐ろしいと感じたことは今まで一度もなかった…
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