悪魔の鎮魂曲17

画面の中の宗治は路上にうつ伏せたまま、ピクリともしなかった。その周りには自然に人垣が出来、吹雪は真っ先に駆け寄って宗治の体を乱暴に揺すった。
「宗治!宗治!!」
瞳からは大粒の涙が次から次へと流れ落ちていた。やがて救急車がやってきたが、隊員は暗い顔でかぶりを振った。吹雪はそれを必死に否定したが、やがて静かになり、冷たくなってゆく宗治と共にその場を去っていった。

「これがお前の死に様だ。」
再び悪魔が口を開いた。
「いいか、死んだ人間が生ある者と同じ世界にいるっていうのはな、ルール違反なのさ!」

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