悪魔の鎮魂曲16

宗治はもはや映画を見ているかのように、この映像にはまり込んでいた。ふと、宗治の耳元で声がした。
「この後だ。」悪魔だった。すっかり存在を忘れていた。
また画面を覗くと、二人は信号待ちをしているところだった。
「あーあ、ここの長いんだよね。あれ?ちょっと宗治…!?」
驚いたことに、画面の中の宗治は赤信号を無視して道路を渡っている。当然のように、宗治に向かって乗用車が突っ込んできた。高くクラクションを鳴らしながら…
キキィ…
ガツン…ッ
鈍い音と共に、宗治は宙に浮いた。それから後は、あっと言う間だった。

次へ
TOP